山水画

山水画とは

作:木下静涯
静涯庭所蔵

『前後赤壁の図』
水墨山水画

中国で発達した絵画のジャンルで現実の景色の再現を意図した作品や山岳・樹木・岩石・河川・他の添景を再構成した「創造的景色」が多い。特定の風景をありのままに描くのではなく、高い精神性に基づき理想的に*普遍的な自然の絵を描くのが特徴。山水画が本格的に描かれたのは六朝時代唐代後半〜北宋時代は特に黄金時代であった。

日本では、鎌倉時代以後に盛業を迎えた

作:木下静涯
静涯庭所蔵

*普遍的 とは

行き渡っている

:本質が変わらず広く行き届いている状態

:物事・人・いつ・どこ・共通して当てはまる

芸術・美術において

*普遍的とは

:場所・時代・状況であっても通用する価値

:条件でゆるぐことがなく尊重される概念

:誰もが素直に評価できるもの

木下静涯の故郷:日本国長野県

静涯画伯が生まれた聖地は長野県の南部:南信州日本アルプスの自然美を堪能できる西に中央アルプス・東に南アルプス高い山々に囲まれた絶景の地であった。

28年間台湾国で過ごした。晩年は福岡県北九州市小倉北区で過ごし絵を描き続け102歳で旅立った。

山村風景図の背景

=木下静涯の絵には珍しい山水画=

静涯画伯17歳明治36年7月

長野県の生家から

志を抱いて上京・約20数年後

台湾で暮らす事になり・約10数年の

月日が経過した頃の絵。

*上京:都に上がる
:地方から東京(23区内)へ行くこと


ふと・原点に振り返り

生まれ育った土地・故郷・風景の

懐かしさを心に浮かべ

・人恋しさ・笑顔・さみしさ

・大切な人を心配する気持ち

・会いたい感情・楽しかったこと

・恩師との出逢い・友・仲間

生家で暮らした日々の思い出

離れて暮らす父親『久太郎』を慕い

『郷里遠望』の心境で描いた

人間性に触れる思いのする作品です。



振り返り=reflection
:自身の経験を思い返す
:内面を見つめ直す
:思考や気持ちを整理する
:過去から学ぶ(行動や決断がどの様な結果に結びついたかを見つめる)

山村風景

故郷での

目の前に広がった眺めを想像し

前景の山容

凛と佇む松林

松林越しに見える遠くの聳え立つ山

叢林・緑、黄緑色の草・赤色のお花・

ゆるやかな勾配の山道には、馬子が馬を引き

のどかで穏やかな自然の風景を

厳かな雰囲気を漂わせ

ひとつひとつの絵を繊細で力強い

優しく穏和な絵に仕上げ

新鮮な感性から風格を表現しているかのような

奥深い絵が描かれ

聳え立つ山に掛かった後光は神秘的である

*馬を引く:絵画右下

*叢林そうりん:樹木が群がって生えている林

 縮小画像使用中

 

いつの世も 

『真実が歪むと人生は…歪む』

  这一世       この世は

悲喜交集爱恨成痴   苦楽愛憎を交差する

何惧面前功过事   功と過ち何をも懼れん

江山渔火婉约    美しい山河と夜景

对酒当歌诀别    飲んで歌い別れを告げる

历史的天空      古より続く空で 

欲穷千里的心动    大志を抱く

曾经年少英姿    若き日の勇姿

        


问天地向谁倾诉  誰に心を打ち明ければよいのかと天地に問う

歴史的絵画にも転換点と分岐点がある様で

静涯の描いた心は

『気宇壮大』

愛情溢れて奥深い

作:静涯結心

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